広く流通しているジェルネイル。美容目的のネイルサロンで用いられるイメージのため、化粧品であると思われている方も多いのではないでしょうか。
実はジェルネイルは、化粧品であるものと雑貨であるものが存在しています。
・化粧品と雑貨の違いって何?ジェルは化粧品じゃないの?
・化粧品じゃないジェルネイルって使っても大丈夫なの?
・違いがわかっていなかったから詳しく理解したい!
・化粧品と雑貨の見分け方ってある?
これらのお悩みや疑問をお持ちの方に、化粧品会社にて化粧品を開発したことのある私が、ジェルネイルが化粧品なのか雑貨なのか、またその見分け方について詳しく解説していきます。
これを機会にぜひ理解しておこう!!
ジェルネイルは化粧品か雑貨か
実は世に流通しているジェルネイルは、化粧品として販売されているものと、雑貨として販売されているものの2種類が存在します。
ジェルにネイルには、2種類存在する
①化粧品:薬機法により規制されている
②雑貨:薬機法には関連しない
さてでは「化粧品」や「雑貨」とは一体どういうものなのか、次項で説明していきます
化粧品と雑貨の違い
化粧品と雑貨の違いは、一言で説明すると、薬機法により規制されるかされていないかです。化粧品は薬機法により管理されています。
薬機法とは:化粧品や医薬品などの品質、有効性、安全性を確保するための日本の法律
薬機法では化粧品や医薬品などがそれぞれ定義されていて、ルールが定められています。
この薬機法によると化粧品は以下のように定義されています。
この定義をもとに、化粧品と雑貨の違いを分かりやすい例でたとえると、
- 人の身体に使用し、体を清潔にして綺麗に保つための石鹸→化粧品
- お風呂の色や香りを楽しむ入浴剤やバスソルト→雑貨
という違いが出てきます。
ここで重要なのは、石鹸がすべて化粧品、入浴剤やバスソルトがすべて雑貨、ということではなくて、使用対象や目的、効果の違いに差があるという点です。
同じ石鹸でも台所用だと雑貨になりますし、肌の保湿や美容効果を目的とした入浴剤は化粧品になります。
雑貨だと薬機法の範疇外であるため、薬機法で定められている化粧品の効果(人の身体や皮膚を清潔にする、美化する、など)は謳うことができないんですね。
化粧品には許可や届出が必要になる
もし何かの製品を雑貨ではなく化粧品として販売したい場合、以下の許可や届出が必要になります。
許可or届出の名称 | 目的 | 届出or許可を取る相手 |
化粧品製造販売業許可 | 化粧品を市場に出荷、流通させる | 都道府県知事 |
化粧品製造業許可(1号区分) | 化粧品を自社で製造する | 都道府県知事 |
化粧品製造業許可(2号区分) | 化粧品を自社で充填(つめこむ)する | 都道府県知事 |
化粧品製造販売届 | 各品目の化粧品を製造販売する | 都道府県 |
※自社で化粧品は作っていないが、販売のみする場合はこれらの許可は不要!
※海外で製造された製品はまた別の届出が必要!
日本国内で「化粧品」のジェルを製造したり販売するには、厳しい基準をクリアしていく必要があるということです。
それに対し、「雑貨」のジェルを製造したり販売するには、薬機法の規制の範疇から外れるため、これらの届け出は許可は必要ないわけです。
これらの許可や届出を俗に化粧品登録って呼んだりするで~
化粧品ジェルと雑貨ジェルの見分け方
ジェルネイルにおいて、化粧品なのか雑貨なのかを見分ける方法としては、外箱もしくは容器を確認することです!
なぜかというと、化粧品であるジェルには必ず記載されている項目が存在するためです。
・化粧品の製造販売元
・内容量
・使用上の注意
・全成分表示 など
つまりこれらの項目を見つけることができたらそのジェルは化粧品だとわかるというわけですね!!
具体的な例を実際に見てみたいと思います!私が検定受験の時からお世話になっているリーフジェルプレミアム046番を見てみましょう!
答えはもう書いてしまいましたが。笑
化粧品としての情報がしっかり記載されているため、リーフジェルプレミアム046番は化粧品だということがわかりますね!
ちなみに、リーフジェルプレミアムは番号に関わらずほぼすべてのジェルが化粧品となっています。
私は職業柄全成分表示をよく見るから、
ぱっと見の判断材料に全成分表示の有無を見ちゃうかな~
ベースジェルは基本的に全て化粧品!
ここまでの話で勘のいい方はこういう疑問をお持ちではないでしょうか。
え!!ジェルって爪(=人間の身体)に使用するから
化粧品じゃないとだめじゃね!!!???
その疑問について詳しい答えがネイリスト協会のHPに記載されています。
内容を簡単にまとめますと
・ベースジェルは直接お爪に塗布するから化粧品に該当する!!
・カラーやトップはお爪に直接塗らないなら化粧品じゃない!!
ちなみにネイリスト協会のHPではさらに、ジェルネイルを安全に使用するために以下の内容も記載されています。
- 必ずベースを塗布して硬化後、カラー→トップを塗ること!
- JNAジェルネイル技能検定試験の指定商品の条件は「化粧品」であること!
つまりつまり、「ジェルネイルは原則ベース→カラー→トップの順番で使用するから直接お爪に触れるのはベースジェルだけで、そのベースジェルは化粧品である必要があるけどカラーとトップは必ずしも化粧品じゃなくても大丈夫」ということです!!
現在流通しているジェルネイルのブランドは計り知れないほど多いため私の方で調査しきれてはいないのですが、基本的に国内のベースジェルは化粧品だと判断ができますね。
逆に、もう絶対確実に化粧品のジェルを使いたいという方はネイリスト協会が検定用に指定している製品を使用すると良いですよ!!(検定指定商品はこちら)
雑貨品のジェルは悪者なのか?
私個人としては、化粧品ではない、雑貨のジェルを必ずしも悪者だとは思えないんです。ベースジェルを除いての話ですけどね。
化粧品を作っていて思うのですが、何か新しい良いものを作りたいときってやっぱり新しい原料とか今までにないものにたくさん挑戦したい気持ちが出てくるわけです。
しかしここで雑貨と化粧品だとそれを形にして世に出せるスピード感とか、製品の尖り具合に随分と差が出てくるんですね。
もちろん薬機法の規制範囲内でどれだけ新しくて良いものを作っていくか
が化粧品技術者の腕の見せ所なんやけどね!!!
そういう意味で見ていくと雑貨として販売できるジェルというものにはある種憧れの気持もあったり、雑貨ジェルが存在するおかげでネイルにこれだけ多様なトレンドが生まれているとさえ感じられるんです。
なんかそういう自由さも含めて私はネイルが大好きなわけです。
そして、個人的な主観をのぞいてみてみても、雑貨だからと言って必ずしも粗悪な成分ばかりを用いているとも言えないですし、逆に化粧品だからと言って届け出や許可を得ているという事実があるだけで、必ずしも全人類にとって安心安全だなんて言いきれないですよね。
新進気鋭のまだ世間に見つかっていない面白い原料を用いている可能性だって雑貨のジェルは秘めているんです。
雑貨も化粧品も、それぞれのいいところどりをして使っていくのが良いんじゃないでしょうか!!
ジェルネイルは化粧品なのか雑貨なのか。見分け方も解説。
本気記事では、ジェルネイルが化粧品か雑貨か、またその見分け方について解説していきました。
本記事のポイントをおさらいしておきましょう!
普段何気なく使っているジェルもよくよく考えると理解できていないことって多かったりしますよね。
この記事が、ジェルへの理解を深める手助けになればとてもうれしいです!
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