ジェルネイルはポリッシュに比べてたくさんパーツを載せやすいというのが良いところ。
特にストーンはパーツの定番、大きさも様々でオフィスからゴテゴテまで大活躍。
しかしジェルネイルでストーンを載せた時にこんな現象を感じたことがある方もいるのでは。
・トップで覆ったらストーンが2Dになった!
・気がついたらストーンの多角カットの良さが消えている!
・あれ、ストーンのキラキラどこいった??
これらの経験をし、その理由がよくわからない方々に、その原因や対処法を解説していきたいと思います。
実はこれも、化学
ジェルネイルでストーンの印象が変わるのは屈折率の問題
ジェルネイルでストーンを覆った時に、なんか載せる前と載せた後の雰囲気が違って見える時、原因のポイントは屈折率です。
どのような現象かと言いますと、
ビフォアフで特にストーンの印象が違いませんか??
ジェルをのせる前、すなわちbeforeの状態だとストーンがカクカクキラキラしているのに対し、ジェルで覆った後のafterはなんだかえらいちゅるんとしてしまって。
おまえさんは一体誰や??
私の可愛いキラキラストーンちゃんどこ行った??
これはネイリストさんの腕の問題ではありませんし、ストーンが溶けているわけでもないんです!!
この現象を詳しく知るために、まずは屈折率というものが何なのかを見ていきましょう!!
屈折率ってなに!?
屈折率とは、ある物質の中での光の進み方、光の進む速度を表す指標です。
この屈折率、物体によって固有です。例えば水の屈折率は約1.3、ガラスの屈折率は約1.4-2.0程度、などです。
屈折率が大きいほど光は進みにくい、つまりゆっくり進み、屈折率が小さいほど光は進みやすい、すなわち早く進むことができます!
ある物質から異なる物質に光が進む時、それらの境目で光が屈折します。
なー待って、光が進む??光って速さとかあんの!?なにゆうとんかわからん!?
いきなり目に見えない光の話をしてもわかりにくいよな!
イメージしやすくするために一旦別のもんで考えてみよう!
唐突ですがここで光を車に例えたいと思います。これはいつも私が頭の中で光の想像をするときに用いている方法です。
舗装された地面から、ぬかるんだ泥道へ車が侵入する、もしくは逆に、ぬかるんだ泥道から舗装された道路へ車が進行するとき、車はどういう進み方をしますか?
ぬかるんだ道路では車は遅く、舗装された道路では車は早く進みますよね?
実は光も車と似たようなものなんです。
進みやすい空間では早く進むし、進みにくい空間では遅く進みます。
ではまた車のイメージに戻って、進みやすい舗装された道路から進みにくい泥道へ斜めに進行していく時、車はどうなりますか??
まっすぐ進まず、ちょっと曲がっちゃいましたね??
光でも同じ現象がおこり、この進行方向を曲げられてしまうことを屈折と言います。
そしてこの光の現象を人間が目で見て感じる時、屈折せずにまっすぐ進む光は目で見るとこができず、屈折して反射してくる光は目で見ることができます。
さらに、屈折率の異なる物質同士の境界は認識できるのですが、屈折率が同じまたはよく似た物質同士の境界は認識できないのです!
これはただの事実なので、もし今すぐに理解できなかったとしても一旦覚えてしまいましょう!!
暗記も実力!
そして理解するには繰り返して考えることが大切やから、
わからんくなったらまたこの記事を何回でも読み直したらええねん!!
ジェルネイルとストーンの屈折率が近いと境界が見えなくなる
ジェルネイルで覆った際にストーンがペタンコに見えたり、平らに見えたり、なんだか本来の輝きが失われて見えるのは、ジェルネイルとストーンの材質の屈折率が近く、境目が人間の目には見えなくなっているためだと言えます。
ちなみにストーンのファセットカットと呼ばれる宝石のように美しい多角度のカット面が施された部分の材質は、水晶、ガラス、アクリル樹脂などです。
アクリル樹脂ということはもしや
スカルプも、、、!?
さすが!!よく気づいた!!
アクリルスカルプとジェルネイルも同じことが言えるで!!!
ネイリストやスカルプ愛用者さんには良く見慣れた風景であるかと思いますが、スカルプのアプリケーション後の削りの時点では必ず表面が不透明になるのに、ジェルで仕上げると一気に透明でちゅるんと感が発生するのも、実はジェルとアクリルの屈折率が近いためにおこる現象なんですね!
さてストーンに話を戻しまして、お爪表面のジェル、ストーンをどのように光が通っていくかを、断面図から見てみましょう!!
可愛いストーン、すぐに取れてほしくないためしっかりジェルで覆ってしまうと途端に別人になってしまうんですよね、、、。
ストーンとジェルの屈折率が近く、境界面で光が反射しないため、ジェルで完全に覆うとキラキラが見えなくなってしまう。
ストーンのキラキラが見えない時の対応策
ストーンのキラキラが見えない時の私なりの対応策、もしくは対処法がありますので、まとめてみました。
・お客様にしっかり説明して対応策を決める
・ストーンを大きいものに変える
・ストーンを薄ーくジェルで覆う
・思い切ってもちの良さは捨て、ストーンの底面しかジェルを付けない
・ストーンの本当に表面だけを覆わないようにする
それぞれについて詳しく解説していきます!
お客様にしっかり説明して対応策を決める
大前提、もしお客様のネイルの場合、ネイリストからしっかり説明を入れておく必要はあるかなと思います。
・持ちをよくするために基本的にはストーンはしっかり覆いたいこと
・しかし覆ってしまうとストーンの見え方が変わってしまうこと
これらをしっかりご説明したうえで施術を進めると、お客様にも安心して施術を受けてもらうことができるのではないかと思います。
上記の事実をお伝えした上で、お客様のお好みにあわせて持ちを優先するか、ストーンの輝きを優先するかをご提案出来たらみなハッピーですよね!!
ストーンを大きいものに変えるか、ジェルを薄く塗るか
ストーンのサイズを大きくするか、ジェルを薄ーく塗ることでストーンのキラキラの失われ具合は多少やわらぎます。
ストーンを大きくするにしても、ジェルを薄く塗るにしてもやはりもちは悪くなる方向に傾きますので、そこだけは注意をしておきましょう。
もはやストーンの底面にしかジェルを付けない
ジェルを糊のように、ストーンの底面にだけつけると、ストーンの多角カットのキラキラは存分に力を発揮しますが、これは最も持ちが悪くなる方法です。
意外とジェル、糊の役割を果たしてくれるものではありません。
お客様のお爪やセルフのお爪であっても、少し何かに手が当たっただけでストーンははるか彼方へ飛んでいってしまうでしょう。
しかし、この方法はジェルネイルのアートサンプル用チップには用いることができます!!すなわち人のお爪に付けて日常生活を送るシチュエーションでなければ、かわいさを存分に発揮できるのです。
ただしアート用サンプルを見たお客様が同じネイルをしたいと望まれた場合には、しっかりとご説明をして、お客様の望む形でお爪にオンできるようにしっかりカウンセリングを行いましょうね!!
ストーンの表面だけを覆わないようにする
ストーンの本当に表面だけを覆わない、すなわちぎりぎり側面までを覆うことも、できるだけ持ちを悪くしないようにしながらストーンの輝きを発揮させる一つの技です。
どういうことかは以下の図でお示しします。
この方法は最近はやりの埋め尽くしネイルでも使用したりしますが、やはりストーン前面を覆うよりもストーン固定の安定感には劣ってしまいます。
どうしても経時で側面のジェルが削れて、ある日突然ポロっとストーンが取れてしまうこともありますね。
ジェルネイルでストーンが見えない!?ポイントは屈折率
本記事では、ジェルネイルでストーンをのせてトップで覆った際にストーンの印象が違って見える現象について解説をしていきました。
本記事のポイントは
ジェルネイルとストーンは屈折率が近いため、完全にジェルでストーンを覆うと境界が見えなくなる
という点でした!
個の現象って経験者のみぞ知る現象というか、初見だとびっくりしてしまう可能性もあるので、お客様への施術の際はしっかりご説明ができるとより信頼関係を築きやすいのではないかな~と思います!!
ぜひセルフネイルや接客の参考にしてみてください!!
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