ネイルで使用されるアルカリについて解説。酸との違いと使用上の注意。

化学とネイル

ネイル製品を扱っていると酸とアルカリについて触れる可能性が出てきます。

しかし、アルカリと言われてもなんとなく怖そうなイメージがありつつも、それが具体的に何なのか、どんな製品に入ってるものなのかすごく分かりにくいですよね。

私は、大学時代から化学を専攻していて、大学院も出たそれら化学物質のプロです。普段化粧品会社で製品開発をしつつネイリストとしても仕事をしているので、化学品とネイル製品どちらに関してもプロです。

そこで本記事では、化学者ネイリストの私がアルカリに焦点を当てつつ酸との違いや取り扱い上の注意などを解説していきます。

酸とアルカリについて理解できれば、ネイル製品を選ぶ際や取り扱う際に自分の頭で考えて選択をしていくことができるようになりますよ~!ちょっと難しいですが一緒に頑張りましょう!!

化学を制する者はネイルも制す!!!

アルカリとは

アルカリとは、水に溶けて塩基性を示す物質のことを言います。

塩基性とはアルカリ性とも呼ばれるのですが、水に溶けた時に水酸化物イオンOH⁻を生じる性質のことを言います。

なので、ひじょーうにばっくりとアルカリを見分けるには「NaOH(水酸化ナトリウム)」や「水酸化カリウム(KOH)」のように化学式で表した時にOHがチラ見えしてるかどうかなんかが役立つことが多いです。

pHはアルカリ性の指標でもある

そしてアルカリの性質、すなわちアルカリ性(塩基性)の大きさを数値で表す事が出来るのが、pHです。

pHが7より大きい水溶液はアルカリ性の水溶液となり、数値が大きいほどアルカリ性は強いです。

化学者
化学者

pHが7より小さいと酸性、pH7は中性な!

酸とアルカリの違い

先ほども少し触れたように酸とアルカリの違いは、pHの数値が一番想像しやすくてわかりやすいです。

pHが7より小さい…酸性
pHが7…中性
pHが7より大きい…アルカリ性

何かしらの物質を水に溶かしてその水溶液のpHをはかってしまえば、その数値から溶かした物質が酸なのかアルカリなのかを確かめることが出来ます。

酸とアルカリの具体的な性質

具体的に酸とアルカリがどんな性質なのかをもっとわかりやすくするため、それぞれの性質をいくつか表にまとめてみました。

アルカリ
酸っぱい苦い
感触刺激を感じる刺激を感じにくい
溶かせるもの金属たんぱく質

ここの表にまとめた性質たちは、酸性やアルカリ性が強ければ強いほど顕著になります。

つまり、強酸はとても刺激が強くて金属をジュッと溶かしますし、強アルカリは刺激を感じにくいままたんぱく質をすぐに分解します。

逆に、濃度がちいさかったり、弱酸や弱アルカリの場合は金属やたんぱく質を一瞬で壊すみたいなことにはなりません。

化学者
化学者

弱酸も弱アルカリも、時間をかけたり濃度を濃くすると

本来の性質が見えてくるで。

酸とアルカリはどちらが危険か

実は化学界では酸よりもアルカリの方が怖いとされています。

ネイリスト
ネイリスト

なんか酸って怖いとか危険なイメージあるけど、

アルカリの方が怖いって意外!!

化学者
化学者

まあ強酸と強アルカリはどっちにしろ

取り扱いに注意は必要なんやけどね~

こういうのは極端なケースで考えた方がわかりやすいので、強酸と強アルカリで比較して考えてみましょう。

強酸:触れると痛みなどの刺激を感じ、金属まで溶かす性質がある
強アルカリ:触れても刺激がないため気が付きにくく、たんぱく質を溶かす性質がある

金属を溶かすというのがなかなかパワーワードなので酸が怖いみたいなイメージが世に浸透している気がしますね。

しかしアルカリだってたんぱく質を溶かす性質があります。

たんぱく質と聞くとイメージがしにくいかもしれませんが、人間というのはたんぱく質ででてきているので、極端な話アルカリで人間は分解されます。

それなのに刺激を感じにくいということは、手でアルカリに触れてしまった際、気づかぬ合間に手が分解されて溶けてしまっている事態が発生しかねないということなのです!!!

ネイリスト
ネイリスト

ギャッ!アルカリ、怖すぎ!!

アルカリは、刺激を感じにくいと言いますが実際は触ってみるとぬるぬるした感覚になります。このぬるぬる、実は皮膚が溶けてるんですね。

酸は刺激を感じるのでもし触れてしまっても「痛っ」と気が付いてすぐ処置ができるので大事を免れやすいです。

さらに皮膚というのは元々pH5付近の弱酸性を示すんです。ということからもなんとなく酸性の方が危険度が低いということはわかりますね。

ただし、ここまで強酸と強アルカリの極端な話をしてきていて、実際酸やアルカリを使用する際は濃度やそれぞれの性質など調整されていることもありますので、身近な製品については危険だからといって排除するのではなく、性質を理解した上で正しく扱うことが大切だということを覚えていてください!!!

酸とアルカリ、2者択一ならアルカリの方が危険!!

ネイルでよく見る酸とアルカリ

ネイル製品を扱う際に目にする可能性のある酸とアルカリをご紹介します!

酸…メタクリル酸、アクリル酸
アルカリ…水酸化ナトリウム、水酸化カリウム

じゃあこれらの酸やアルカリはどんな性質があり、どのようなネイル製品に、どんな目的で配合されているのでしょうか。

詳しくご紹介していきます!

(酸)メタクリル酸、アクリル酸

メタクリル酸やアクリル酸はpH2程度と弱くはない程度の酸性であり、ジェルの密着をよくするためにプライマーに含まれていることが多いです。

ただし、プライマーは酸単一の製品ではなく大体は何かしらほかの成分との混ぜ物になっているので、当たり前ですがすぐに金属を溶かすようなそんな代物ではありません。

また、配合目的としてよくお爪をとかすためと誤って認識されることがありますがそうではなく主な目的はジェルやアクリルの密着を上げることです。

同じような目的で酸ではない成分を配合しているプライマーもあれば、酸を配合しているプライマーもあるという感じですね。

(アルカリ)水酸化ナトリウム

水酸化ナトリウムはpH14程度と最強のアルカリで、ネイル器具の洗浄液に含まれていたり、キューティクルリムーバーに含まれることもあります。

洗浄液に含まれる場合はネイル器具に付着した脂肪分などをサッと分解して取り除きやすくするため、キューティクルリムーバーに含まれる場合はお爪に張り付いた甘皮をお爪から離れやすするために含まれてます。

つまりどちらもアルカリのたんぱく質を分解する性質をよく利用しているわけですね。

ネイリスト
ネイリスト

ちょっと!最強のアルカリってかなり恐怖なんちゃうのん!?

と思われた方。

たしかに取り扱いに注意は必要ですが、恐怖ではないのでそこは認識しておいてほしいです!

また洗浄液、特に直接お爪と皮膚に使用するキューティクルリムーバーに含まれる水酸化ナトリウムというのは濃度が非常に薄いはずです。

というわけでネイルケアに用いる範疇で正しく扱えば、気づかない間に手が分解されていたなんて末恐ろしい現象は起こりえないので、使用を直ちにやめるのではなく、しっかりただしい使い方を学んで使用する様にしましょうね!!

(アルカリ)水酸化カリウム

水酸化カリウムはpH13程度のなかなかの強いアルカリで、こちらもキューティクルリムーバーに含まれ、キューティクルをお爪からはがれやすくする目的で配合されます。

水酸化ナトリウムと同じく、強アルカリのため注意は必要ですが、たんぱく質を分解するというアルカリの性質を活かして上手いことキューティクルリムーバーに配合されているわけです。

ネイル製品のアルカリを使用する際の注意事項

ネイル製品にアルカリが含まれている場合の注意事項は以下の通りです。

・できるだけ素手で触らない
・素手で触ったならば、使用後は必ず水で洗い流す

やはりアルカリというのはたんぱく質を分解する、すなわち皮膚を溶かす性質があるので、できることならば直接触るのは避けたいですし、触る必要があるのであれば短時間ですませたいところです。

なのでネイル製品で言うと器具の洗浄液にアルカリが含まれている場合は、できれば素手で触らず手袋等をして器具の洗浄を行うのがおすすめです。

ただし、キューティクルリムーバーというのは直接お爪に塗布するものなので素手で触ることはさけられませんよね?

その場合は、使用後お手元をしっかり水で洗い流すようにしましょう。アルカリは水に溶けるので水でしっかり流すことで完全に除去することが出来るのです。

さらに、アルカリ入りのキューティクルリムーバーを他人の手に塗布する場合は、塗り広げる際に素手ではなくプッシャーで優しく広げるなど、道具も上手く活用する様にするのがおすすめです。

・アルカリ入り洗浄液やキューティクルリムーバーは基本的には素手で触らないのがベター
・もし触れる必要があるのならば、使用後水でしっかり洗い流すようにする

実はアルカリって身近ないろんなものに入ってます

さてここまででアルカリというのは皮膚を溶かす性質がある為、取り扱いに注意が必要ということをお伝えしてきました。

これだけだとまだ恐怖心を取り除けないかもしれないので、ネイル製品以外でアルカリの入っている身近な製品を紹介したいと思います。

・洗顔やクレンジングなどの化粧品(水酸化カリウム)
・漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)

実は先ほどもご紹介した水酸化カリウム、お顔に用いるクレンジングや洗顔料に入っていることもあります。

アルカリがこのようにスキンケアアイテムに入る理由としては、皮膚の汚れの洗浄力を高めるためであったり、もしくは製品全体のpHを整えて素肌に近づけるための調整剤として配合されます。

また、漂白剤にもアルカリがはいっています!こちらはもしかしたら素手で触ってしまったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その際、手がぬるぬるした経験があれば、それは少なからず皮膚が溶けてます!!でもそういう時はしっかり水で洗い流しますよね!

というわけで、ネイル製品以外でも身近に存在しているアルカリたち。

強アルカリのはいった製品は注意は必要ではありますが、正しく扱えば便利なものなんだな~という認識は持っていていただきたいです^^!

ネイルに関して知っておきたい酸とアルカリの違いのまとめ

本記事では、ネイル製品で使用するアルカリについて、酸との違いも解説しながらご紹介していきました!

・強アルカリは取り扱いに注意が必要だが、正しく扱えば怖くない
・ネイル製品では、キューティクルリムーバーや洗浄剤にアルカリが含まれていることがある
・アルカリはできるだけ素手で触らず、素手で触るなら使用後必ず流水でよく洗うこと

この記事を参考に正しくネイル製品を扱い、よりネイルライフを楽しんでいきましょうね!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました